2018年6月14日 (仮訳)形態および複数遺伝子の系統解析に基づき、中国雲南省北西部の淡水環境においてトルラ科の新属および新種が見出された Su, X-J. et al., 2018. Morphology and multigene phylogeny reveal new genus and species of Torulaceae from freshwater habitats in northwestern Yunnan, China. Mycological Progress. Available at: https://doi.org/10.1007/s11557-018-1388-3 [Accessed June 13, 2018]. 【R3-05213】2018/6/14投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国雲南省北西部において淡水生材生息菌の調査を実施し、新属新種Rostriconidium aquaticumを記載した。 複数遺伝子に基づく分子系統解析により、トルラ科クレードが単系統群として強く支持された。 また、Dendryphion fluminicolaおよびTorula aquaticaを新種記載し、Torula属2種を中国新産種として報告した。 中国雲南省蒼山 (新種) Dendryphion fluminicola Z.L. Luo, D.J. Bhat & K.D. Hyde 語源…河川に生息する 【よく似た種との区別】 Dendryphion comosum 分化分生子柄を形成する 分生子柄が直立する円筒形 分生子柄が頂部付近で短く数回分枝する 分生子が単生または鎖生する 分生子が淡褐色~暗褐色 分生子表面が微細な小疣状 分生子に隔壁を有する 本種より分生子柄のサイズが大きい 本種より分生子が長い 本種と異なり分生子が紡錘形~円筒形でない 本種と異なり分生子の隔壁数が2-6でない Dendryphion aquaticum 分化分生子柄を形成する 分生子柄が直立する円筒形 分生子柄が頂部付近で短く数回分枝する 分生子柄表面が平滑 分生子柄に隔壁を有する 分生子が単生または鎖生する 分生子が淡褐色~暗褐色 分生子表面が微細な小疣状 分生子に隔壁を有する ITS+nrLSU+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子柄が長い 本種より分生子のサイズが小さい ITS+nrLSU+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国雲南省怒江 (新種) Rostriconidium aquaticum Z.L. Luo, K.D. Hyde & H.Y. Su 語源…(属名)嘴状の分生子/(種小名)水生の 【よく似た種との区別】 Phaeotrichoconis aquaticus 分化分生子柄を形成する 分生子柄が単生する 分生子柄が直立する直線状 分生子柄に隔壁を有する 分生子形成細胞がポリトレト型 分生子が嘴状 分生子基部に小さな脱離痕を有する 分生子に隔壁を有する 本種より分生子柄のサイズが小さい 本種より分生子のサイズが比較的小さい Neotorula spp. ITS+nrLSU+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子柄が短い 本種と異なり分生子形成細胞がポリトレト型でない 本種と異なり分生子が単生するという特徴を欠く 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が嘴状でない ITS+nrLSU+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sporidesmioides thailandica ITS+nrLSU+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する 本種と異なり分生子が嘴状ではなくアンプル形 本種と異なり分生子表面が微細な小疣状 本種と異なり分生子頂部に厚い鞘を伴う 本種と異なり分生子の細胞に密な小粒を含む ITS+nrLSU+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国雲南省金沙江 (新種) Torula aquatica Z.L. Luo, K.D. Hyde, X.J. Su & H.Y. Su 語源…水生の 【よく似た種との区別】 Torula gaodangensis 半分化~分化分生子柄を有する 分生子柄が直立する 分生子形成細胞が単出芽型 分生子が求頂性 分生子が褐色 分生子が円筒形で隔壁部分が狭窄する ITS+nrLSU+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子柄が短い 本種と異なり分生子形成細胞が扁球形 本種と異なり分生子鎖が分枝するという特徴を欠く 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり分生子の両端が丸いのではなく頂部が丸く、基部が截断状 本種と異なり分生子表面が疣状ではなく小疣状 本種と異なり分生子に暗色の脱離痕を有する 本種と異なり分生子に油滴を含む ITS+nrLSU+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Torula herbarum ITS+nrLSU+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり分生子の隔壁数が1-6ではなく3(-4) ITS+nrLSU+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (中国新産種) Torula ficus Crous (中国新産種) Torula masonii Crous 【よく似た種との区別】 Torula acaciae ITS+nrLSU+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁 ITS+nrLSU+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される